しらかば動物病院

一頭ごとに違う体質と症状を把握する。
 症状毎に適した診察(問診,検査,触診)を行う。
  生活環境にあわせた、適切な治療を施す。

047-425-2148

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精巣腫瘍

【症状】

精巣の腫瘍は、わんちゃんでは人間よりも発生率が高く、多く見られます。

腫瘍細胞の増殖によって精巣が膨れ上がることもあります。
精巣の腫瘍には、精巣上皮腫、セルトリ細胞腫、間質細胞腫があります。
精巣上皮腫は明るい色の腫瘍で、左右の精巣両方にできることがあります。

セルトリ細胞腫は、精巣全体に腫瘍細胞が広がり、精巣が膨れ上がります。この病気になると、腫瘍細胞は女性ホルモンを分泌するので、メスのように乳腺がはったり、おなかの部分が脱毛したりします。

間質細胞腫は老犬にできる腫瘍で、小さいため見落としがちです。
この腫瘍ができると、女性ホルモンが分泌されますのでやはりメス化がみられます。

【原因】

他の腫瘍と同じように、原因はわかっていません。
しかし、わんちゃんに精巣腫瘍が多いのは、精巣(睾丸)が正しい位置にない睾丸停滞という病気が多いためと考えられています。

【治療】

外科的手術を行なって腫瘍を切除するしかありません。

卵管腫瘍

乳腺腫瘍

【症状】

お腹の乳腺部位に発生する腫瘍で組織形態は複雑です。
良性と悪性の腫瘍比率はほぼ同等と考えられています。

症状としては、乳腺部にやや硬結した塊がさわれることにより来院される方が多いです。

【原因】

乳腺腫瘍は未避妊の雌のわんちゃんで最もよく見られる腫瘍であり、女の子のわんちゃん全体の腫瘍の約半数を占めているとも言われてます。
また、性ホルモンがわんちゃんの乳腺腫瘍の発生に関与している。

研究で得られたデータだと2回目めまでの発情の前に卵巣摘出術を実施することが腫瘍発生の予防になることを明確に示している。
また、肥満が危険因子のひとつである可能性がある。乳腺腫瘤の大きさは様々であるが、腫瘍の位置や数は予後には影響しないとも言われている。

【治療】

外科的手術を行なって腫瘍を切除するのが治療の第一選択である。
また、大きく浸潤性で転移性の乳腺腫瘍には全身化学療法(抗がん剤)が有用なことがある。

メラノーマ(悪性黒色腫)

腫瘍の病気と治療

精巣

陰睾

【症状】

お腹の中に精巣が残ってしまっている状態です。
潜在精巣ともいい、陰嚢内より高い温度環境下にあるため、精子形成がなく、アンドロジェン分泌量が少ないです。

高齢のわんちゃんは潜在精巣の腫瘍発生率がたかいです。

【原因】

精巣を下降させる精巣導帯の未発達、鼠径管の閉鎖あるいは精巣のアンドロジェン分泌不足などが、その発生原因と考えられています。

【治療】

一番推奨される方法としては潜在精巣を外科的に摘出することです。

乳腺・卵巣・子宮

子宮蓄膿症

【症状】

子宮が広い範囲にわたって炎症を起すため、わんちゃんは水をたくさん飲むようになり、尿の量も増えます。
子宮内部の膿がたまるので、お腹が大きく見えることもあります。

子宮頚が開いている時であれば、陰部から膿や血膿が出てきます。
症状が進むと貧血や腎不全などをおこしたり、食欲がなくなったりします。熱や吐き気が見られることもあります。

慢性的な経過をたどることもあり、発熱はないこともあります。

【原因】

子宮が細菌に感染して炎症を起こし、その結果生じた膿が子宮内部にたまることから起こります。発情期には子宮頚部がゆるむために細菌が進入しやすくなりますが、子宮は細菌を防ぐ仕組みをもっており、通常は炎症をおこすこともまれです。

しかし、出産経験のないわんちゃんや、かなり前に1度だけ出産したわんちゃんは卵巣の異常を起こしやすく、発情期の後にも卵巣に黄体が残ることがあります。このとき黄体はプロゲステロンを出すために子宮内膜が増殖し、子宮が細菌に感染しやすくなります。

【治療】

外科手術によって子宮を摘出するのが原則です。

さらに、抗生物質の投与、補液が実施されます。臨床症状が重篤でなく、内科的治療を選択したい例に対して内科的療法を施すこともありますが副作用やその後の再発等を考慮すると当院ではあまり勧めておりません。

胃捻転,胃拡張

【症状】

悪心、げっぷ、嘔吐、落ち着きがない、鼓腸と進行していくお腹のはり、腹痛、よだれ、繰り返す吐き気、運動を嫌う、努力呼吸なども見られる。急性のものが多く、強いストレス後の発症も多い。

大型の犬種、胸が深いわんちゃん、高齢のわんちゃんなどに起こりやすい。

【原因】

胃拡張は、空気、食べ物、水の混合による胃の拡張で、しばしば間欠的に発生し、通常若いわんちゃんで過食や食事での不摂生により起る。

胃拡張と胃捻転では、腸間膜軸上の胃の回転、胃内容の閉塞、胃、脾臓、膵臓への血液供給の途絶などが起る。急性の胃捻転は、致死率が高い。

【治療】

胃の減圧、代謝異常の矯正、解剖学的整復がある。急激に悪化するケースが多く、迅速な対応が必要である。

膵臓

膵炎

吐いたり、下痢したり、食欲がなくなったりします。他に落ち着きのなさ、パンティング、振るえ、衰弱、腹痛を示すことがある。膵炎は体重過剰の中~高齢のわんちゃんでもっとも発生する。

膵外分泌不全

【症状】

いつもたくさん食べているのに体重が少しも増えずにやせている、いろいろな食べ物をあさってがつがつ食べる、自分の糞を食べてしまう、腐った油のような臭いの便をするなどといった症状を示す。

【原因】

比較的大型のわんちゃんで多く発病します。

膵外分泌不全は、慢性膵炎や膵臓の萎縮などがもとで、膵臓から正常な消化を行なうのに必要な酵素が十分に分泌されないために起こります。
そのために、膵臓酵素を受け取る小腸では栄養物を吸収できなくなり、消化不良となり体重が減少します。

【治療】

不足している消化酵素を補うため総合消化酵素剤の投与を行う。また、食事療法、ビタミン剤投与、抗生物質療法などを行うこともある。

膀胱

膀胱炎

【症状】

発熱、食欲不振、元気がなくなるなど、病気の際の一般的な症状があらわれることがあります。
また、水をたくさん飲むようになり、排尿の回数がふえます。残尿感もあり、排尿の姿勢をたびたびとりますが、尿がでないことがあります。

ただし、尿が出にくいからといっても膀胱炎とは限りませんので注意しましょう。

排尿しようとしても尿が出ないときには尿道で石がつまってたり、前立腺肥大などで尿道が圧迫されてでずらくなっていることもあります。

健康な時の尿はうすい黄色で、にごりもありませんが、膀胱炎の際には尿が濃くなったり、にごったりします。

病気の程度によって色の濁りの程度は違いますが、ひどい時には、尿に血がまじったり、においがつよくなったりすることもあります。

【原因】

尿道から進入した細菌が膀胱に感染して炎症を起こします。膀胱炎は男の子より女の子に多く見られます。膀胱炎になると多くの場合、慢性化もしくは潜在化(細菌が増えずに生き続ける状態)します。

細菌の感染が尿路をさかのぼるように広がり、腎盂腎炎へ移行することもあります。細菌による炎症以外にも、結石やストレス、寒冷などからくる膀胱炎もあります。

【治療】

尿を検査し、細菌に対してもっとも効果のある薬を調べて治療法を決めます。その結果に応じて、抗生物質を与えます。

当院では、膀胱炎に対して迅速に対応するため尿検査の結果から、すぐに抗生剤を決め、頻回の散歩などをおこなって排尿回数を増やし、水分をしっかり取ってもらっています。抗生剤の効果がはっきり出ない場合にはすぐに培養検査を行い、薬剤耐性を調べ、症例ごとにあった抗生剤の投与を行なっています。

膀胱結石(ストラバイト結晶)

【症状】

膀胱に結石ができる病気。膀胱炎と同じような症状があらわれるが、膀胱炎よりも出血が多く見られる。残尿感があって排尿回数が多いです。血が長時間尿中にある場合は血液の成分が壊れて血色素がとけだすため、尿の色が紅茶色にかわることもあります。

【原因】

細菌感染による膀胱炎が原因のひとつと考えられています。また、食事中のミネラル成分や水分補給などが要因で、尿の濃度、ph、イオン強度が変動することにより結石を誘発しています。飲み水、食事等が影響しているので結石の出来やすいわんちゃんは食生活にも気をつけましょう。

また、副腎皮質機能亢進症等の病気によって2次的に結石をつくりやすくしている場合もあります。

【治療】

内科治療では、結石の成分が判明している場合は処方食の摂取や水分摂取を促すことにより尿成分やphを調整して欠席の溶出を促します。また、感染症が認められる場合は抗生物質の投与を行なう。しかし、結石が溶出しない場合などには外科的に結石を除去する必要があり、その後も食事などの管理が必要です。

また、2次的に結石ができやすくなっているこなどはもとの病気のコントロールが必要な場合もありますので注意しましょう。

膀胱破裂

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【症状】

元気がなくなったり、おしっこが出なくなったりします。

【原因】

交通事故や、転落などによって膀胱に外力が作用した場合に発生する膀胱壁の断裂です。

【治療】

造影により、造影剤の腹腔内への流出で確認します。外科的に損傷した膀胱壁の裂創を修復するとともに、腹腔の洗浄や抗生物質などによる腹膜炎の予防、尿毒症などへの対症療法が必要になります。