しらかば動物病院

最新医療と行動学

しらかば動物病院

新船橋駅前

駐車場あり

047-425-2148

しらかば動物病院

腸内寄生虫予防

腸内寄生虫予防

ペットに寄生するお腹の虫は人にも感染し、家族の健康を脅かす可能性があります。『定期駆虫』とは動物病院でペットへ定期的に虫下しの投与をすることにより、ペットのおなかを虫のいない環境に保ち、人とペットを寄生虫の病気から守る習慣です。

ペットとの幸せな関係のために。あなたは『定期駆虫』をはじめてますか?

ペットに寄生する虫が原因となる主なズーノーシス

犬猫回虫幼虫移行症

人が回虫卵を口にすると、回虫は幼虫のまま体内を移行して様々な症状を引き起こす。

*特に幼児への感染は危険性が高く、移行先によっては重症になる場合がある。
内臓移行型の場合、肝酵素測定値の上昇、咳や喘鳴、てんかん様発作などがある。眼移行型の場合、眼部の炎症、ガラス体の濁り、網膜はく離などがある。

瓜実条虫

ノミを媒介に感染して下痢などを引き起こす。幼児に多い。イヌやネコと同様に感染すると片節(米粒のようなものに見える)が見られる。

検便では気づかないことが多く、普段からの定期駆虫が大切なケアとなる。

エキノコックス症

感染後5~10年は無症状で自覚症状はない。発症すると肝機能障害が進む。末期には重度の肝機能不全となり、多包条虫が血流に乗って肺や脳、骨髄などに転移する。

point!

病院での定期駆虫ガイドラインの1例:生後2週目~3ヶ月までは2週おきに1回。生後3~6ヶ月では月に1回。生後6ヶ月以降は3ヶ月に1回駆虫をする。(アメリカ疾病予防管理センターが定める定期駆虫ガイドライン)

point!

☆ペットのケアは動物病院で!虫卵は大量に産まれるので、放っておくと長期にわたって室内環境が汚染される原因となります。

虫卵が見つかる前からの、3ヶ月に1度の予防的駆除が効果的です。

腸内寄生虫予防について

定期駆虫の流れ

来院

来院時に診察券を提示。初めての方は初診表に記入。

問診

便の状態、症状等があればその期間、予防歴、薬疹等の有無。等を確認した上で薬等を決めていきます。

定期駆虫薬処方

駆虫薬には錠剤タイプ、滴下タイプ、チュアブルタイプ等がありその子に合ったものを選ぶことができます。

自宅にて定期的に投薬

現在はノミ、ダニ、フィラリア予防とセットになった腸内駆虫薬があり積極的に使用する方が増えています。当院ですとカレンダーをお配りしてシール等を貼って頂き駆虫薬の投薬忘れが無いようにしてもらっています。

回虫症

感染経路と発症までの体内状況

虫卵を摂取するだけで中間宿主を介さない直接発育が成立。外界に排出された虫卵は条件によっては何年も生き続ける。虫卵排泄は感染後4〜5週で起こる。その為感染しても虫卵が排出されない期間があり、検便検査では診断できない時期がある。年齢抵抗性があり虫卵を排出するのは子犬の時期が多い。

発症時の症状

嘔吐、下痢、発育不良、腹部膨満、貧血、削痩などが現れる。しかしながら、臨床現場では下痢症状以上の物が出ていることは非常に少ない印象がある。当院で経験した事のあるものとして腹部膨満、発育不良はまだ遭遇したことがない。貧血、削痩はごくわずかなイメージがある。

診断

糞便検査による虫卵検出。

治療

駆虫薬による駆除だが体内移行中の幼虫には効果が低いものもある為必要に応じて移行中の幼虫に高い効果があるものを使用する事もある。最近ではいろいろな駆虫薬、予防薬がでておりフィラリア予防薬の中には回虫に効く薬も多く出ている。

疫学

世界的に分布しており、国内の犬でにも普通にみられる。どこで生まれた子犬であっても観戦している可能性がある為、子犬期の駆虫とその後の定期的な駆虫が重要である。また、人に幼虫移行症を引き起こすことがある。*特に幼児への感染は危険性が高く、移行先によっては重症になる場合がある。

鉤虫症

感染経路と発症までの体内状況

糞便中に排泄された虫卵が高温、多湿ですみやかに発育し、1日で孵化する。幼虫は微生物などを摂取して発育し、2回の脱皮を行って感染力をもつ感染幼虫となる。感染経路として、経皮感染、経口感染、経乳感染、胎盤感染、待機宿主の捕食(マウス、ゴキブリなどを口にしてうつる)

発症時の症状

貧血(抗凝血成分を分泌する為出血しやすく貧血を助長)、皮膚炎、臓器機能障害(肺他)を引き起こす。犬の鉤虫症の病態は3つに大別される。甚急性型:経乳感染に起因する。50体以上の虫体感染で致死的になる。急性型:幼若犬が一度に多数の感染を受け、食欲不振、削痩、下痢、粘血便、貧血などの症状を呈し、腹痛等が起こる。

更に衰弱すると膿、浮腫、心悸亢進、呼吸困難となり虚脱に陥る。慢性型:一般的な病態。軽度の貧血を呈するが顕著な臨床症状を欠く。糞便中に虫卵を排出する。

診断

幼若犬に貧血、粘血便(タール便)を伴う下痢、発育不良、浮腫などの症状が認められる場合に疑う。糞便検査による虫卵の検出が有効であるが甚急性型や急性型では虫卵が検出されない事もあるので注意を要する。

治療

抗線虫薬が有効だが見掛け上駆虫薬が効かない状況があり、駆虫薬を長期間頻回投与を余儀無くされることがある。

疫学

犬鉤虫は日本全土に分布する普通種で、世界各地に分布。狭頭鉤虫は日本では犬では報告がないが狐で見つかっている。

エキノコックス症・条虫症

感染経路と発症までの体内状況

多包条虫は、狐を終宿主、ネズミを中間宿主とする寄生虫である。成虫は狐の腸に寄生し、糞便とともに虫卵が排出され、ネズミが食べると主に肝臓に幼虫が寄生する。犬は狐と同じく終宿主の役割を果たし、人への感染源となる虫卵を排出する。

犬が感染するには、ネズミを摂食する必要がある為、感染を疑う対象はネズミを食べる可能性のある犬となる。人への感染は虫卵を偶然食べることによって感染する。

発症時の症状

犬の小腸には成虫が寄生するが、病原性がほとんどなく、たいていの場合は症状を示さない。一方で人が感染した場合は、肝臓やその他の臓器の機能障害を起こし、治療しないと死に至ることがある。

診断

糞便内虫卵検査、糞便抗原検査、PCR法による遺伝子検査が用いられる。

治療

成虫感染は ブラジクアンテルの経口投与で駆虫できる。虫卵は熱に弱い。

疫学

多包条虫は主に終宿主がアカキツネで日本では北海道の狐で寄生率は3割とも言われている。キツネの他に、犬、猫、たぬきにも感染が確認されている。中間宿主はネズミの他にブタ、ウマ、動物園の霊長類などがあげられる。

瓜実条虫

感染経路と発症までの体内状況

多くの哺乳動物画集宿主となる。片節が糞便に混じって、あるいは自力で出た後、ノミやハジラミなどが摂食すると孵化して終宿主の犬が経口摂取すると小腸壁に固着し、2〜4週間ほどで成虫になる。

発症時の症状

無症状が多いが重症例では、削痩、嘔吐、下痢、食欲亢進、痙攣、あるいは腸炎が見られることがあり、幼犬では死亡する事もある。犬座姿勢をとり肛門を地面に擦り付ける動作が見られる事もある。

診断

糞便中あるいは肛門周囲に片節を確認して診断する。

治療

駆虫薬による駆除。

疫学

世界的に分布しており、国内の犬でにも普通にみられる。有病率は都市部で高い傾向がある。

よくある質問

人に感染したり影響したりしますか?

人獣共通感染症の原因となり人にも感染する。ただ、人から人への感染は起こさない。怖い話をしているが日本国内で確認された事例は10ちょっとと限られている。

疫学の視点で教えてください。

日本国内の犬にも広く寄生している。感染率は猫より高い。ある県では犬フィラリア症、犬鞭虫症についで高かったそうです。

治療後に気をつけたほうがいいこと はありますか?

ノミ、ハジラミが感染源となるためその駆除がもっとも効果的である。なので定期的にノミ等の駆除剤の投与を行うことが大切になる。

バベシア症

感染経路と発症までの体内状況

犬およびイヌ科の肉食獣を宿主にし、感染マダニの吸血の際に、唾液と共に原虫が侵入し、赤血球に寄生する。寄生したものの増殖が進行すると感染動物は、血管内溶血により発熱、貧血、黄疸、血色素尿等を引き起こすバベシア症となる。

発症時の症状

貧血、おしっこが赤くなるまたは茶色っぽい。熱がある等である。貧血になるので、歯肉が真っ青になる。溶血により黄疸が出る子もいる。しばしば元気がなくなり、食欲が低下。体重が減っていく。幼犬や老犬では死亡率が高い

診断

血液とまつ検査で中退を確認する。遺伝子検査で診断することもある。

治療

駆虫薬による駆除。貧血、脱水に対して輸血や点滴などの治療や、アシドーシスの治療などを行う。また、予防のために未だにの駆除を行うことが大切である。

疫学

日本では東北地方から沖縄にかけて分布している。

よくある質問

人に感染したり影響したりしますか?

犬が中間宿主で、マダニが終宿主のため感染は問題ありません。

疫学の視点で教えてください。

マダニが発生するところを中心に感染するので温かい地方で特に見られる傾向があります。当院周囲ではあまり見かけません。

治療後に気をつけたほうがいいこと はありますか?

感染犬へのステロイドや免疫抑制剤の使用が原虫寄生率を増加させ、病状を悪化させることがあるので注意しましょう。

ジアルジア症

感染経路と発症までの体内状況

この感染は糞便と共に排泄された嚢子を口にすることによって感染する。嚢子は抵抗性が強く、体外で2週間あるいはそれ以上生存できる。

発症時の症状

成犬ではあまり症状が出ず、子犬で水溶性下痢や脂肪性の下痢をする。吸収障害を起こし貧血や栄養障害を起こす子もいる。そのため体重減少、食欲不振、肝機能障害をおこすこともある。

診断

糞便中の虫体を確認して診断する。近年では抗原検査や遺伝子検査等を行うこともある。

治療

メトロニダゾール系やベンズイミダゾール系の薬剤を1クール投薬するが複数回の投薬が必要な場合がある。また、症状がひどい場合は対症療法を行う。

疫学

国内の犬で若齢の子の有病率は40%にもなったという報告もある。

予防

乾燥、高温に弱いので、いる場所や使っているものを熱消毒し乾燥させることが良い。

よくある質問

人に感染したり影響したりしますか?

人には影響しません。

治療後に気をつけたほうがいいこと はありますか?

早期発見と治療が中心になります。複数飼っている家では感染しているこの隔離、治療を行い、飼育環境を衛生的に改善し、水や餌への汚染をしっかり予防しましょう。

コクシジウム症

感染経路と発症までの体内状況

感染した犬の糞便中に排泄された卵みたいなものが適度な環境下で成長し、それを経口摂取して感染する。ネズミなどの齧歯類の体内に入ってそれを捕食して感染することもある。

発症時の症状

濃厚感染で下痢を引き起こすことがある。特に幼犬の場合、ときに血の混じる下痢になり、重篤な状態になるケースもある。

診断

糞便中のオーシスト検出をして診断する。

治療

駆虫薬による駆除。従来サルファ剤などを使っていたが近年ではトルトラズリル、エモデプシドを使うことが多くなった。(MDR1遺伝子変異を持つ犬種では使用を避ける)

疫学

世界的に分布しており、国内の犬でにも普通にみられる。

治療方法と治療のリスク

便検査で卵様のものを見つけて診断します。
サルファ剤を使用する事がよくあります。当院ではトルトラズリルを数日服用させる事があります。

よくある質問

人に感染したり影響したりしますか?

特に言われていない。

疫学の視点で教えてください。

生肉が一つの感染源になるため注意が必要である。便に大量の卵様のものを出すためその管理も重要です。若齢な子は好発するので注意しましょう。

治療後に気をつけたほうがいいこと はありますか?

衛生管理が重要です。

トリコモナス症(猫)

感染経路と発症までの体内状況

栄養型が猫ちゃんの腸で無性増殖して糞便に排泄され、経口で感染すると言われている。繁殖施設や保護施設などの多頭飼育で感染し、治癒する者もいれば慢性感染する子もいる。感染率に性差はない。

発症時の症状

若い猫ちゃんで多くて下痢がながびくことが多く、悪くなったりよくなったりを繰り返します。症状が出ないこともよくあり、ほとんどの場合、食欲不振及び体重減少などは見られません。

診断

糞便中(新鮮便)で栄養型を検出する。排便して時間が経った便では検出できない。また、糞便培養法や、遺伝子検査などもある。

治療

自然治癒する場合もあるが、原虫(トリコモナス)が長期間残存することも多い。ロニダゾールをを2週間投与する方法があるが日本では認可がされていないため海外から取り寄せて行うことがある。稀に神経系の異常が見られることがあるため注意深い観察が必要になる。

疫学

世界的に分布しており、国内の猫でにも普通にみられる。

治療方法と治療のリスク

直接顕微鏡で見る方法。うんちを培養する方法、遺伝子検査をする方法があります。
ロニダゾールが有効とされているが国内では認可されてないためメトロニダゾールを使用することが多いです。

よくある質問

人に感染したり影響したりしますか?

基本的には人への感染はしません。

疫学の視点で教えてください。

若い時にいっぱい飼っているところで感染して周りにうつすケースがよくある。糞便汚染の防止が重要で、若い時から個別飼いすることによって予防が可能と考えられるが現実的とは言い難い。

治療後に気をつけたほうがいいこと はありますか?

糞便の処理をしっかりすることと、しばらくは個別飼いしておくのが良いでしょう。

クリプトスポリジウム症

感染経路と発症までの体内状況

経口摂取による感染になる。オーシストというものを摂取した後、腸内で脱嚢し、上皮細胞に寄生する。

発症時の症状

症状については不明な点が多いとされているが下痢などを示す子もいる。

診断

糞便中のオーシストを確認して診断する。抗原検査で診断することもある。

治療

有効な治療法はないかもしれない。下痢等には対処療法を行い自然治癒を待つ。

疫学

世界的に分布しており、国内でも見られる。

治療方法と治療のリスク

便の中のオーシストと呼ばれるものを見つけることである。種を同定するにはPCRにより遺伝子解析を行う。
有効な治療法はないが、下痢などに対する治療を行い、自然治癒を待つ。免疫が低下していたり、若齢での発症は症状が長引いたり、難治性になることがある。

よくある質問

人に感染したり影響したりしますか?

人にうつる可能性があるものとして一部の遺伝型がまれに動物から検出されることがあるので注意は必要と言われているが犬からの感染かどうかは確認されているわけではないので神経質になる必要はないと思われるが衛生管理はしっかりしましょう。

疫学の視点で教えてください。

ある報告では動物病院に来院した犬で18%近く陽性だったとの報告もある。クリプトスポリジウム.parvamが人間にも感染する恐れがあると言われているが世界的に見てもparvamの検出は世界的にもまれである。

治療後に気をつけたほうがいいこと はありますか?

オーシストは長期生存可能で、薬剤に対しても強いが、乾燥と高温に弱いため熱消毒や、乾燥が有効です。