しらかば動物病院

最新医療と行動学

しらかば動物病院

新船橋駅前

駐車場あり

047-425-2148

しらかば動物病院

眼科

眼科について

ワンちゃんネコちゃんとの毎日の生活の中で、必ず一度は見る目。最近目ヤニが多いな、眼が赤い気がする、しょぼしょぼ眩しそう、目が白くなってきた、涙がよく出るななど、気になることはありませんか。

目は口ほどにものを言うとはいいますが、目の異常は体の中の病気を反映している場合も多くあります。
また、遺伝性疾患により、若いころから目の病気に苦しむ事も少なくありません。

目の様子がおかしい時にはもちろん、日頃から定期チェックを行い病気の早期発見早期治療をすることが大切です。
なぜなら病気が早く見つかれば回復も早く、早いからこそ治る病気もあるからです。

主な症状

眼が赤い

眼に分布する血管の色が見えてなる。炎症による充血や出血のことが多い。

  • 結膜炎
  • 角膜潰瘍
  • 上強膜炎
  • 角膜炎
  • パンヌス
  • 角膜血腫
  • 前部ぶどう膜炎
  • 緑内障
  • 前房出血
  • 硝子体出血
  • 乾性角結膜炎

眼が白い

本来透明な部分が白く濁ることによる。しばしば、白内障では核硬化症との鑑別が必要になる。

  • 角膜浮腫
  • 角膜潰瘍
  • 角膜ジストロフィー
  • 前房フレア
  • 核硬化症
  • 水晶体前方脱臼
  • 白内障

眼が緑色をしている

瞳孔が散瞳して眼底反射が関連。緑色でないこともある。

  • 網膜剥離
  • 網膜変性症
  • 視神経の腫瘍
  • 緑内障
  • 視神経炎
  • 動眼神経麻痺

目やにが出る

様々な原因で眼が刺激され、粘液の分泌亢進で生じる。

  • 角膜炎
  • 結膜炎
  • 乾性角結膜炎
  • 上強膜炎
  • パンヌス
  • 逆さ睫毛
  • 眼球癆

眼をしょぼしょぼさせる

眼に刺激があり違和感を感じておこる。

  • 眼瞼炎
  • 角膜炎
  • 結膜炎
  • 角膜潰瘍
  • 乾性角結膜炎
  • 前部ぶどう膜炎

眼を閉じない

短頭腫で眼球の突出傾向がある。

  • 緑内障
  • 乾性角結膜炎
  • 眼瞼下垂
  • 顔面神経麻痺
  • 腫瘍

眼の周りが濡れている

眼が刺激され、涙液分泌亢進した場合生じる。

  • 結膜炎
  • 前部ぶどう膜炎
  • 角膜炎
  • 眼瞼炎
  • 鼻涙管の閉塞
  • マイボーム腺機能不全
  • 角膜潰瘍

眼が見えていない

中間の透明なところの混濁による網膜への像が届かない場合や、網膜、神経伝達の異常によるものなどがある。

  • 網膜剥離
  • 白内障
  • パンヌス
  • 色素性角膜炎
  • 網膜変性症
  • 視神経炎
  • 視神経腫瘍
  • 緑内障

膜が飛び出している

第三眼瞼突出のことである。

  • ホルネル症候群
  • 眼球癆
  • 角膜潰瘍
  • 重度な脱水や削痩
  • 体調が悪い

眼が大きい、とびだしている

短頭腫では外傷時に眼球が脱出しやすい。

  • 緑内障
  • 腫瘍
  • 眼球の突出

来院のタイミング

目に異常がある時は、すぐにご来院ください。

本当にその病気様子見で大丈夫?

多くの飼い主様が眼の病気に対して見えてそうだからまだ良いかなと思ってなかなか動物病院に行かない傾向があります。症状を照らし合わせて同じようなものがあれば早目に受診しましょう。

病気によってはきづいたときにすぐに行かなければ失明する病気もあります。

当院が全ての眼科疾患を網羅しているわけではありませんが早期発見、早期治療に役立てるようにスリットランプ、眼圧計、眼底をみるレンズ他必要と思われる器材、薬等を揃え、見逃しがないように体制を整えております。

部位別疾患

眼球外の疾患

眼窩の疾患

  • 眼窩膿瘍
  • 咀嚼筋炎
  • 外傷性眼球突出・脱出
  • 外眼筋炎
  • 眼窩の腫瘍

眼瞼の疾患

  • 眼瞼内反症
  • 眼瞼外板症
  • 異所性睫毛
  • 眼瞼炎
  • 眼瞼腫瘍

瞬膜の疾患

  • 第三眼瞼突出
  • 瞬膜の外転
  • 瞬膜の腫瘍

結膜の疾患

  • 結膜炎

涙系の疾患

  • 乾性角結膜炎
  • 鼻涙管狭窄

視神経の疾患

  • ホルネル症候群
  • 視覚障害

眼の表面の疾患

角膜の疾患

  • 角膜潰瘍
  • 角膜炎
  • 角膜変性症
  • 角膜ジストロフィー

強膜の疾患

  • 上強膜炎、強膜炎

眼の内部の疾患

ぶどう膜の疾患

  • ぶどう膜炎
  • 虹彩萎縮
  • 瞳孔膜遺残
  • ぶどう膜嚢胞
  • ぶどう膜の腫瘍
  • 緑内障

前房の疾患

  • 前房出血
  • 前房出血
  • 前房蓄膿

水晶体の疾患

  • 白内障
  • 水晶体脱臼
  • 核硬化症

硝子体の疾患

  • 硝子体乳化
  • 硝子体出血

網膜と脈絡膜の疾患

  • 網膜変性症
  • 網膜剥離
  • コリー眼異常
  • 網膜出血
  • 視神経乳頭浮腫

多くみられる病気について

白内障

白内障は水晶体に起こる変化で、水晶体の一部ないしは全部が白く濁ったように見えます。水晶体は瞳孔よりも奥にあるので、目の中を覗き込んで瞳孔の奥が白くなっていたらこの病気が疑われます。

角膜炎などで目の表面で白濁したり、ブドウ膜炎などの原因で虹彩表面が濁ることがありますが、これは白内障とは別症状です。水晶体が白濁するため視力が損なわれ、わんちゃんがふらふらと歩いたり、頻繁になにかにぶつかったりするようになって、みなさんが異常にきづくようです。 白内障が重度に進行すると、水晶体脱臼がおこり緑内障になってしまうことがあります。

症状

目の症状

よく、眼が白いと言って当院に来院される方がかなりいらっしゃいますが白内障と勘違いされてくる方も多い印象です。レンズが変性して白くなったものを白内障と言っているが、加齢性にレンズの中心が硬くなった核が白く見える核硬化症と混同している方が多い印象があります。白内障は変性して不透明になることから光が遮られるためどんどん見えずらくなっていきます。

おもな症状として、目が濁ったり青みがかったりする、暗いところで見えにくい、移動しにくい、物にぶつかる、光に敏感になる、などがあります。 しかし、室内でいつも生活している空間でものの位置等かえていないときにあまり支障なく生活できるわんちゃんが多いためかなり進行した白内障であっても眼が見えていると思われている飼い主様が多いです。

その他の症状(食欲や動きの変化など)

見えなくなっていく他に若齢期に白内障では一部レンズの脱臼等も起こして痛みを伴っている子もいます。光の遮断によりちょっとしたことに対し過敏に反応してしまう子も多いです。

多く見られる品種

当院ではシュナウザーでよく見かけます。最近ではトイプードル、シーズー等でもよく見かけるようになりました。

原因

先天性、糖尿病性、放射線性、栄養性、加齢、外傷性、低カルシウム血症、中毒などがあります。また、プードル、コッカースパニエル、シベリアンハスキーなど、他の犬種よりも白内障になりやすい犬種もいます。 一般的に、白内障は加齢とともに徐々に年単位で進行しますが、遺伝性の白内障は若い年齢で発症することが多く、進行も速いので手術適用が多いです。

治療

症状の重さによって異なります。場合によっては、濁った水晶体を取り除き、人工レンズに置き換える手術が勧められることもあります。しかし、すべての犬が手術に適しているわけではなく、症状が進行しないように継続的な管理、特に点眼等で進行を遅らせる治療が必要な場合もあります。

点眼薬

白内障進行予防薬の使用

外科処置

レンズを除去して人工レンズを入れる手術が一般的です。

治療後の経過

点眼治療に関しては最終的には白内障は進行していく形になるが、日常にあまり影響のなさそうな白内障で維持している方もたくさんいる印象です。外科の場合は1か月程度の術後対策をした後安定した日々を過ごしている子をよく見かけます。(当院では行っておりません。)

悪化を防ぐための対策

白内障初期の段階での点眼

結膜炎

症状

目の症状

まぶたの裏および白目の表面の充血が見られる。炎症がひどくなると、結膜浮腫(腫れたように見える)を起こす。ベトっとした目やにや黄色い眼脂(めやに)などを伴う。酷いものでは、結膜からの出血が認められることもあります。

その他の症状(食欲や動きの変化など)

眼が赤いのに気づく。手で目をこする、床に顔をこすりつける等の症状を示す子もいるが全くない子もいます。一般的に食欲が減ることはあまりありません。

多く見られる品種

全ての犬種猫種で認められる。

原因

細菌、ウイルス、真菌、寄生虫、中毒、化学物質、涙膜の異常、涙の量や質の低下、逆さまつげ、眼瞼内反、異物、乾燥、様々な疾患に付随する炎症

悪化を防ぐための対策

エリザベスカラーなどを使って直接目や目の周囲をかかせないようにする。

治療

緊急治療・救急療法

刺激物や異物の場合には水で洗うことを勧めます。

外用薬

2次的な結膜炎では、原因の病気の治療も併せて行う。細菌性結膜炎に対しては広域抗生剤点眼を行って感染を抑える。真菌性結膜炎には抗真菌薬の点眼を、寄生虫性結膜炎では駆虫薬の投与を行う。免疫介在性結膜炎に対してはステロイドの点眼を行う。

たとえば、

アレルギー性結膜炎では環境抗原からの回避、ステロイド等の点眼薬の使用などが挙げられる

東洋眼虫などの寄生虫性結膜炎では、原因寄生虫の除去である。

クラミジア性結膜炎では、感受性のある抗生剤の使用である。

治療後の経過

軽度なものでは1週間で改善するものもありますが、重度なものでは何ヶ月もかかるものや、免疫がらみのものではずっと治療が必要なものもあります。しばしば、原因となるものが改善できなくてずっと治療をしている子も見受けられます。

角膜潰瘍

症状

目の症状

眼の痛み、瞬きを繰り返す・眼をつぶる(羞明)、涙が出る、瞼が痙攣する、白眼の部分が充血する、透明なところが白っぽくなってる、濁ったように見える、透明な表面のところに血管がある、透明な表面のところが凹んでいる、穴がある等の臨床症状がある。

その他の症状(食欲や動きの変化など)

痛みを伴う事が多いので食欲が低下する、手で目をこする、床に顔をこすりつける等の症状を示す子もいるが全くない子もいます。

多く見られる犬種

眼球が出ている子によく認められ、シーズー、、パグ、フレンチブルドック、ペギニーズ等が当院では多いです。また、草むらに入る子たちは犬種に関わらずよくこの疾患になって来院されます。

原因

外傷性になる事(怪我)が一番多いですが、異常な睫毛、眼瞼内反症や、異物、化学物質が目についたり、細菌感染、角膜の乾燥、発育障害、免疫の異常などの原因でおきることもある。

治療

緊急治療・救急療法

刺激物や異物の場合には水で洗うことを勧めます。

外用薬

自家血清あるいはコラゲナーゼ阻害剤、広域にきく抗生剤、角膜保護剤等を点眼する事が多いです。眼の痛みや抗炎症作用を期待してアトロピン点眼を使用することもあります。

外科処置

治りが悪いものや、症状がひどいものに対しては角膜切開術(ダメな角膜を除去して角膜に傷をわざと入れる手術)、結膜被覆術(結膜を移植する手術)他があります。ただし、注意が必要なのが術後見た目には悪化したように見えることがおおいですので治癒過程でそのような時期があることを理解することが必要です。

治療後の経過

軽度なものでは1週間で改善するものもありますが、重度なものでは何ヶ月もかかるものや、免疫がらみのものではずっと治療が必要なものもあります。しばしば、原因となるものが改善できなくてずっと治療をしている子も見受けられます。

角膜炎・・・色素性角膜炎・慢性表層性角膜炎・表層性点状角膜炎等

症状

目の症状

一般的に多い症状としては充血、羞明、涙、目の違和感、目が白くなったなどの症状がある。角膜炎と一言でいっても病態が違うものがあるので同じ扱いをしてはならない。

その他の症状(食欲や動きの変化など)

見た目、全く食欲等が変わらないことが多く、気にしている、あるいは飼い主様が目を見て気づいて来院するケースが多い。

多く見られる品種

眼球が出ている子によく認められ、シーズー、、パグ、ラサ・アプソ、ペギニーズ等が当院では多いです。他に免疫介在性疾患として、ダックスフンド、シェルティー等のいます。

 

原因

色素性角膜炎

角膜への慢性刺激が原因で引き起こされる。まつ毛があたっていたり、眼球が余分出ていたり、ドライアイになっていたりして刺激を受け続けてなる。

慢性表層性角膜炎(パンヌス)

原因は不明であるが、免疫抑制療法に反応することから免疫介在性の病気と考えられている。紫外線が悪くさせると言われ、太陽光をいっぱい浴びると症状が悪化する。

表層性点状角膜炎

こちらも免疫介在性の病気と考えられている。紫外線で悪化する。

悪化を防ぐための対策

慢性的な刺激を与えない。表層性角膜炎では太陽光を浴び過ぎないなどの予防があるが基本は長期にわたる薬の投与になる。

治療

緊急治療・救急療法

基本慢性疾患なので緊急処置はないが眼をかくことによって二時的に角膜や、眼瞼の障害がおこるのでエリザベスカラーなどによる物理的保護が必要と考える。

内服薬

まれにコルチコステロイドを使うことがあるがほとんどで点眼薬を使用する。

外用薬

角膜を刺激している原因を除去することが第一だがその後の治療として、潰瘍等の傷がなければコルチコステロイドやシクロスポリン点眼などによる免疫抑制療法を適用する。さらに抗菌剤、角膜保護剤などの点眼治療が必要になることが多い。

外科処置

角膜表層切除の手術を行うことがある。

治療後の経過

原因となる病気等がしっかり除去できていれば良好な結果をもたらす。が、長期間原因となる病気の治療と当疾患の治療を行う場合が多々ある。

緑内障

症状

目の症状

眼が大きくなってきた、瞳孔が開いているといった手遅れの状態で病院に来院する方が多い疾患で早期の発見が重要になります。早期発見するためには眼が赤い、目を気にしている、涙が出る、左右で眼が違う等のちょっとした変化に気づいて来院されることが重要になってきます。

その他の症状(食欲や動きの変化など)

痛みに伴って食欲が落ちる、前足などで眼のあたりをこするなどすることがあるが多くの場合オーナー様が気づいていない。

多く見られる品種

原発性緑内障では柴犬、シーズー、プードル、チワワ、マルチーズ、パピヨン、ビーグル、アメリカンコッカー等で多い

原因

原発性緑内障:遺伝で発症すると言われている。隅角の異常、節状靭帯形成異常等でなる。

続発性緑内障:ぶどう膜炎、水晶体脱臼、白内障、前房出血、網膜剥離等が起こることによって2時的に起こる。

悪化を防ぐための対策

早期の治療介入

治療

緊急治療・救急療法

眼圧降下剤の投与、眼圧降下作用のある点眼薬の連続的な点眼等

内服薬

緊急の際に眼圧降下作用のあるアセタゾラミドの投与を行うことがあるが当院では副作用の点から現在ほとんど使用していない。

点眼薬

眼房水産生を減少させる交感神経β遮断薬、炭酸脱水酵素阻害薬の使用。また、ぶどう膜強膜流出路からの流出増加作用のあるプロスタグランジン製剤等の点眼薬が使用されている。

外科処置

毛様体を壊す手術や、インプラントを入れる手術の他にも症状に合わせて適用になる手術方法がある。

乾性角結膜炎

症状

眼が乾燥した状態になっていて、白っぽい、または黄色っぽい目やにがよく出ている。ひどいものでは朝起きた時、目やにで眼があきづらくなっていたりする。涙の欠如が続くことによって表面に血管ができたり、白くなってきたり、黒く色素沈着したり、厚くなったりする。最初は痛みをともなっていることもあるがその後は痛みがあまりなさげな事が多い。

その他の症状(食欲や動きの変化など)

最初はよく目を気にする傾向があるが時間が経つとそこまで気にしていないように見える。

多く見られる品種

アメリカンコッカースパニエル、キャバリア、シュナウザー、シーズー、ヨークシャーなどの犬種が当院ではよく来院されています。

原因

免疫介在性が圧倒的に多く、他に先天性、神経性、薬剤誘発性、感染性、外傷性、医原性、内分泌疾患や放射線治療等でもなる。
悪化を防ぐための対策
早期治療が必要と思われる。一過性のものもあり治療効果をみるために2?3ヶ月の治療計画を立てる事がある。

悪化を防ぐための対策

早期治療が必要と思われる。一過性のものもあり治療効果をみるために2〜3ヶ月の治療計画を立てる事がある。

治療

一般的にはうい液を刺激する薬、涙液の代用となる薬、抗菌剤、どろっとしたものを取り除くための粘液溶解の薬、炎症を抑える薬のいくつかを組み合わせて使う事が多い。

外科処置

教科書的には唾液を涙液の代わりに利用する方法(耳下腺管転移手術)や涙液排出ブイを止めてしまうような手術が内科治療が奏功しないこで考慮される事があるようだが、当院では行っていないので詳しくは説明できない。

治療後の経過

一過性のものであれば数ヶ月の治療後に治る事があるが、原因によってその原因を取り除けるもの、治せるものであれば治ることもあるが、多くの場合、免疫介在性であるため継続的な治療をしている患者さんが当院ではほとんどでありうまくコントロールしながら長期にわたって維持できている子もいれば、悪いながらにもひどくならないように維持しているような子もいます。

上強膜炎および強膜炎

症状

目の症状

白目がぶつぶつなどができず充血等を起こす(単純上強膜炎)。充血していて白目の黒目周囲に数個のしこりができる(結節性上強膜炎)。

その他の症状(食欲や動きの変化など)

上強膜炎では痛みがなく、結膜炎がなければ目やにも出ない。強膜炎では痛み、目やに、目をしばしばさせる、涙が流れる等の症状が見られる。

多く見られる品種

結節性肉芽腫性上強膜炎はコリーやシェットランドシープドックで好発する。強膜炎はアメリカンコッカースパニエルで好発する。

原因

原因は免疫介在性疾患と言われている。

治療

内服薬

全身性のコルチコステロイド投与で治療。反応が悪い子にはシクロスポリンやアザチオプリンなどの免疫抑制剤を投与することがある。

外用薬

局所のコルチコステロイド点眼をする。

外科処置

腫脹部周囲にコルチコステロイドの結膜下注射を行うことがある。ぶつぶつがある時には外科的に切除すつこともある。

治療後の経過

適切な治療ができればよくなるが治療が生涯必要になることがある。

逆さ睫毛

症状

目の症状

目を気にする・目が開かない・しょぼしょぼさせる(眼瞼痙攣)、涙がでる、目やにが多い、白目が赤くなっているなどの症状が出ることがある。一部ではあっても全く正常とかわらない場合もある。

その他の症状(食欲や動きの変化など)

食欲が少し低下。前足で顔をよくいじっている。

多く見られる品種

特定の品種ででていないが当院では最近トイプードルでよくみかける。

悪化を防ぐための対策

早めの処置により障害を起こす睫毛をなくす。

治療

内服薬

感染、傷を治すため抗生剤の点眼、ヒアルロン酸などの角膜修復を助ける点眼を使用する。

外用薬

特になし

外科処置

睫毛鑷子による用手除去、焼烙、凍結手術等がある。

治療後の経過

一般的に良好であるが睫毛鑷子による用手除去では繰り返し行うことが非常に多い。

問診

動物の情報(年齢、性別など)

動物種によってもなりやすい病気が違うので診断の補助になります。
若齢、老齢では同じ病気であっても病気の進行の仕方が違います。
男の子、女の子でも違いが出ることがあります。

今回の症状・変化がいつから出ているのか(急性・慢性)

最近なったものと、患ってから時間が経っているものでは同じ病名であっても治療方法等がかわってきます。

視診・触診

概要・目的

眼科において視診触診はとても重要なチェックになります。病気を類推、鑑別する上で何よりも大事になってきます。
飼い主様にとって1つの症状が1つの病気が浮かんでくるところを獣医師さんが確認すると3、4つの病気が浮かんでくる、同じような症状が飼い主様には全部同じに見えても獣医さんが確認するとみんな違う症状として捉えることができるといったことが多々あります。
するとそれぞれの病気はそれぞれ違った検査を必要としているため下記の検査を想定している病気、可能性のある病気に対して鑑別、診断に必要な検査の組み合わせで診ていくことになります。

検査

眼科一般検査(視覚機能検査)

検査の概要

眩目反射

眼に強い光を当てた時に眼をつぶる反射です。眼球内の光の通り道(中間透光体)、網膜、視神経や顔面神経異常で低下します。

威嚇瞬き反応

眼の前に急に物が近づいた時に眼をつぶる反応です。眩目反射と似たような検査ですが、こちらは大脳を経由する反応のため、興奮している動物や幼弱な動物では反応しない場合があります。

瞳孔の対光反射

眼に光を当てた場合の瞳孔の動きを評価します。光を当てた眼の反応を直接反応、光を当てた側と反対眼の瞳孔の反応を間接反応といいます。正常であればどちらも瞳孔の縮小がおこります。中間透光体、網膜、視神経、動眼神経および虹彩の異常で低下します。

綿球落下試験

眼の前にコットン球を落として、眼で球を追視するかどうかを判定します

スリットランプ検査(細隙灯検査)

スリットランプを持ちいて、眼瞼、結膜、角膜、前房、虹彩、水晶体、硝子体前部を診る検査で、いくつかの照射方法がある。
雑把に言うと目の縁、目の透明な所、白い所と多くの場所を見る検査である。
専門的に言うと、眼瞼、結膜、角膜、前房、虹彩、水晶体、および硝子体前部を観察する検査である。
病変の分布や範囲の観察に適している。

眼圧検査

眼圧計を用いて眼圧を測定する。実際には房水の角膜にかかる圧を測って計算されたものである。眼圧が高い時には緑内障が疑われ、低い時にはぶどう膜炎や角膜穿孔などが疑われる。

フルオレセイン染色検査

黒眼のところの透明な部分(角膜上皮)の傷をみる検査。角膜上皮のバリア機能をみる検査で、角膜上皮が異常なければ染色液が角膜内に浸透しないので染まらない。しかし、潰瘍性角膜炎などにより角膜上皮のバリア機能が壊れていると、染色液が浸潤し、染色された部分が黄緑色の蛍光を発する。

角膜上皮の欠損について調べる検査です。簡単にいうと眼の透明な部分に傷がないか診る検査です。また、たまに目と鼻がつながっていることを利用して鼻に染色液が流れてくるか診ることもあります。
検査は角結膜の欠損の度合いと、鼻涙管閉塞の有無を調べるための検査になります。

シルマーティア検査

涙の出る量を見る検査。1分間に出る涙液量を測定する検査。一般的にはシルマー涙液試験Ⅰ法がよく行われている。これは下眼瞼涙湖に溜まる涙液量、分泌される涙液量、刺激によってさらに出てくる涙液量の全てを合わせた量で乾性角結膜炎等の診断の補助になる。

シルマー涙液試験は、1試験と2試験の二つありますが一般的に行われる試験はシルマー1試験の方で涙液の産生量を測定するものでドライアイなどを診断する時に有用な検査の1つになります。

眼底鏡検査

目に光をあて、目の奥を見る検査。網膜血管の太さ、分布、出血などの異常、神経乳頭の色や形などを見ます。網膜萎縮などの病気を確認したりします。

眼底検査では硝子体、網膜、視神経乳頭などの後眼房を観察するための検査です。 網膜剥離や、星状硝子体変性、網脈絡膜炎、緑内障、脳圧亢進(脳腫瘍などによる)などの診断をするのに必要な検査です。

エコー検査(超音波検査)

超音波検査は眼内の腫瘤を確認したり、網膜が剥離しているかどうか、水晶体が肥厚していないか等を確認しています。若年性の白内障ではしばしば水晶体が肥厚して脱臼の恐れが高くなる事があるので超音波等で確認する事が必要になってきます。また、虹彩(茶色目)の後ろに腫瘤がある時は肉眼では確認不可能で超音波検査がとても有効な手段になります。

エコー検査では目の奥で出来物がないか、レンズが大きくなっていないか・ズレてないか、網膜が剥離してないかなどをみる検査で重要な診断を下すのに必要な検査の1つです。 対象としては白内障の子や、眼の癌疑いの子、網膜剥離疑い、水晶体脱臼の子などが対象になることが多い。

治療

内服薬の飲ませ方

処方時の注意点を守りましょう

内服薬は物によって遮光が必要だったり、湿気に弱かったりするので保管方法などで指示されたら守りましょう。
また、たびたび薬を砕いて与えている方がいますが物によっては苦味が強く、砕くことによってよだれが出てしまったり、薬をより警戒する様になる子もいます。普段、動物病院ではあまり砕いてはいけないとのお話は出てこないので砕くことを前提に考えている方は先に聞きましょう。
特に重要なこととして投薬頻度(1日1回、2回等)、いつ(食前・食中・食後)は守りましょう。

食べ物に混ぜる

当院ではあまり勧めていません。薬があるから食事を警戒して食いつきが悪くなる子がそれなりにいるからです。普段から投薬の練習をしておきましょう。

投薬補助剤をつかう

当院では勧めてはいませんが投薬補助剤を使っている患者さまもいらっしゃいます。当院でもいくつかの補助剤を提供していますが個々で好みが違い、成分もかなり違うので疾患に影響しそうなものがあまり入ってないものを選びましょう。

目薬のさし方

処方時の注意点を守りましょう

処方される場合点眼薬に関してはまず回数が指定されますまた投与間隔投与時間等が支持されますので指示通りに従いましょう。
点眼薬によって聞いてる時間等が違いますので上のような内容になります。
目薬の種類によっては点眼する順番等も守らなければならないことがあります。
点眼薬によっては長期使用に注意が必要なものもありますので獣医師が支持した日数で点眼を行ってください。
よくある事例として1、顔をして良くなった印象が買いに様に強くあってその点眼を続ければ良くなると長期にわたってつけ続けて最終的に目の病気を悪化させるケースを見ることが多々あります。
点眼薬も使用期限がありますので一定期間以上は使用しないようにしましょう。また、点眼液自体がにごったりした場合には使用できない場合がありますので確認を取りましょう。

数種類の目薬を使う時は

数種類の点眼薬を使用する場合それぞれの点眼薬の効果をしっかり出すために点眼と、点眼の間を5分以上あけることをお勧めします。ごく1部でそうでないものもありますのでご注意ください。また、点眼の順番も物によっては決まっていることがありますのでご注意ください。

外用薬の塗布方法

  • 処方時の注意点を守りましょう
  • 症状が悪化しないよう無理なく

よくある質問

なんでこんなに涙が出るの?

涙が出るのにはいろんなパターンが考えられるので実際診察をしてみないとわからないというのがほとんどですが例えばで考えると以下の様な病気が考えられます。

角膜潰瘍(目の傷)、目にゴミが入っている、結膜炎、強膜炎、緑内障、まぶたの腫瘍、まぶたの炎症(腫れなど)、刺激剤が入った他いろいろな可能性が考えられます。

それぞれ、いつ、どのくらいの期間、どれくらい気にしているか、どんな涙が出ているか、めをつぶってしまっているのかどうか、なったときの様子、場所等を診察する先生に話すだけでもより診断が正確性を増すので病院に行く際はチェックしておくと良いでしょう。

なんで顔に触るのを嫌がるの?

顔を触るのを嫌がる症状で最も多いのは眼より歯のことが多いイメージがあります。

眼の場合にはどちらかと言うと嫌がるというより顔や、眼を気にしているという印象があります。緑内障で痛いはずの子達も触るのを嫌がるというより気にしている印象が強いです。

しばらく様子を見てからでもいい?

様子を見るというのが一番危険です。

眼の病気の種類によっては短時間で発見して治療を行わなければ失明するものもあるので様子を見るという考え方はしない方がよろしいかと思います。以前来ていただいた患者様は異変に気づいて1時間以内に来たおかげで早期発見早期治療が施された為手術もせず点眼だけで緑内障の治療が出来ており視力もしっかり維持できている子もいます。

検査は痛くない?

眼の検査は痛いものは余りありません。一般眼検査、眼底検査などは多くの光が入ってくるので不快感はあるかと思いますが痛みは無く、眼圧検査はトノペン、トノベットでの検査が主流ですがどちらも痛みというほどのものは与えているイメージはありませんが、トノペンでは眼科用表面麻酔剤を使用してから使っています。

まぶたの出来物等をいじる場合は痛みを伴うこともありますが検査という観点で言えば処置するわけではないので痛くはないと言って良いでしょう。

検査を嫌がらない?

目の検査は疼痛を伴わないものが多いため、比較的嫌がらない検査の方だと思われます。

イメージとしては普段採血や注射をあまり嫌がらないこであれば一般的な目の検査は無難にやらせてくれる事が大半です。もちろん何をやるのも嫌がる子は難しいと思いますが。

動物病院にいかなきゃはだめ?

人間がワンチャンネコちゃんの目の変化に気づく時は多くの場合、人間が目をおかしくして病院に行くよりももっとひどい状態になっていることがほとんどなので、いつもと違う時は動物病院に受診した方が良いのではないのでしょうか。早期に受診することは病院通いの回数を減らせるだけでなく、費用面でも、ワンチャンネコちゃんの苦痛の早期離脱等もはかることができると思っています。

手術しないとダメ?

大半で手術が必要な場合が多いです。

納得できないのであればする必要性、しない事によるデメリット等を聞き判断しましょう。
動物にとって一番最良と思われる治療を目指して多くの獣医さんは頑張っています。それなりの理由があるからこそ手術という選択を提示しているのでしっかり聞いてベストな選択をしてください。