外科
コンテンツ [目次を隠す]
軟部組織外科
わんちゃん、ねこちゃんの寿命が近年飛躍的に伸びているため、内臓の問題、皮膚の問題、腫瘍の問題等が増えてきています。そのため、軟部組織外科適用のわんちゃんねこちゃんも増えてきていると思われます。その中で飼い主様の意識も高くなったため早期発見、早期治療が増えてきたため大手術が減りました。これは治癒率もあがっているということなのでとても望ましいことです。しかし、一方で高齢化により様々な病気がわんちゃんねこちゃんを襲うようになったため、その対策が重要になっています。
当院では早期発見早期治療の手助けとなるために健康診断、わんちゃんねこちゃんドック等を行っております。また、診察時にも、その時の診察理由とは関連しない体調の変化等を訊いたり、なるべく触診聴診等で異常がないかチェックし早期発見を目指しています。
また、手術に対してはスピーディーにかつ正確に行えるように、挙上、受動による出血の制御。パッキングや、手拳による術野の確保。脱転、剥離によって手術がやりやすい環境をつくり対応しています(恩師の教えのおかげにより、より正確な手術をおこなえるようになりまた)。逆にデメリットとして術野を広くするため比較的大きな切開層をつくるため見ため的には痛々しいと感じる飼い主様も少なくないと思われます。しかし狭い視野で行う手術のリスクは圧倒的にあがるため、治せるものが治せないということが極力ないようにするため、ご理解をいただいて行う形になります。
整形外科
当院で行っている主な整形外科としては骨折の外科治療が主となります。
近年、小型犬の頭数増加により、以前は中型、大型犬の交通事故等による骨折がメインであったものが、室内における落下、重いもの等がわんちゃんに落ちてきておこる骨折がメインになってきています。一方で骨手術の技術も進歩した結果、多岐にわたる手術方法が出てきました。
それぞれが、長所、短所をもっており、術前・術中の執刀医の手術法の選択をするべき時代になってきています。
その中で当院では数種類の手術方法に対して対応できるように設備を整え、その時々で必要な手術方法を採用して行っています。
しかし、当院は、2次診療施設ではないため、知られているすべての手術方法が可能なわけではありませんのでご了承ください。
その他
軟部外科、整形外科の他には形成外科等も行っております。これに対しては単に見た目の問題を改善する目的の手術は当院では行っておりません。
必要な器官が正常あるいは正常に近い状態の機能を発揮できるようにするための手術になります。もちろん、外見等もその際は考慮した手術を行います。
片側椎弓切除術
胸腰部椎間板ヘルニア
胸腰部椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアでは大きく2つに分類されておりハンセン1型の軟骨用変性からくるものと、ハンセン2型の線維質変性にともなう加齢性変化によって起こるものとがある。
症状としては震え、知覚過敏、頸部下垂、足の歩様異常、活動性の低下、背弯姿勢などがあるが、急性で外科につながるものとして麻痺が起こっているものが対象になることが多い。
ヘルニア内容物

腰の長い子(特にダックスフンド)などに起こることの多い病気です。
椎間板物質が神経を圧迫するためその除去を目的とした手術を行っています。
当院では、MRIなどの画像診断をもとに手術を行うことによって責任病変をより的確にして治癒率を高めようと心掛けています。ただし、MRIなどは外部検査機関での受診となります。
膀胱結石摘出術
膀胱結石
膀胱内に結石貯留の写真と除去後の写真


膀胱結石にはいくつかの種類があるが犬猫共に多いものとしてストラバイト結石、シュウ酸カルシウム結石がある。大まかに見るとツルツルした結石で多いのがストラバイト結石、イガイガした形の結石がシュウ酸カルシウム結石で顕微鏡で見る結晶はまた形が異なる。
結石内容

今回は慢性膀胱炎を起こしており、一部線維化をおこしているため早急な摘出手術が必要でした。長期にわたる多量の膀胱結石の貯留は、膀胱を徐々に悪くするため早めの治療が必要だと思われます。ちなみ今回のような大量の結石を保有している子は最近はかなり減った印象があります。
骨折
橈骨・尺骨骨折他
当院では骨折の手術において次のようなインプラントを使用しております。ただ、近年さまざまなインプラントが出てきており、骨折の仕方によって方法をかえている専門医が多くいらっしゃるため特別な事情がない場合は専門医を紹介させていただいております。
プレート(インプラント)

ピン(インプラント)


ピンとワイヤー(インプラント)

創外固定器(手術に必要な道具)

それぞれ利点・欠点のあるものなので骨折の状況に応じて適切と思われる方法で行うことにより治癒率を高めています。
骨折にもいろいろなパターンの骨折の仕方、いろいろな形の骨、骨折からの時間、骨折後の感染等で手術方法も変わります。
そのためにいくつかの多彩な方法がとれるように準備しております。(当院では大型犬に対する骨折手術に対応した器具はあまりないため大型犬に対しては対応しかねる場合がございます。)
しかし、一方で術後の管理はとても重要なため、退院してからのオーナー様による管理が必要になりますので手術が成功=治ったという考えは持たないでください。
胆嚢切除術・胆嚢十二指腸吻合術
胆嚢粘液嚢腫、胆石、胆嚢破裂等
胆嚢粘液嚢腫の写真

胆嚢の異常が見られ、臨床上問題が起きる、または、起きた時に行う手術になります。胆汁が総胆管で詰まっているかどうか等で手術方法が胆嚢切除か胆嚢十二指腸吻合術になるかを選択しています。当院では行っていませんが胆嚢破裂等でバイパス手術を行なう場合もあります。胆嚢切除では胆嚢内の内容物を除去後に胆嚢を切除しますが、胆嚢十二指腸吻合では内容物除去後に胆嚢の一部を温存して十二指腸に開口部をつくり胆嚢から直接胆汁が十二指腸に流れる道を作ってあげます。
胆嚢十二指腸吻合術の写真

今回は胆嚢出口の閉塞のため胆嚢の袋を切除して胆嚢自体を十二指腸とつけて総胆管開口部ではなく胆嚢部で腸に胆汁を流すようにしました。
鼻孔形成術
鼻孔狭窄(鼻の穴が狭くなる状態)


この病気は大部分が短頭腫(パグ、フレンチ、ブルドックなど)に起こりやすく、神経麻痺も確認されることがあります。多くの場合は他の病気との併発で発症あるいは悪化因子になります。
よく行う手術としては軟口蓋部分切除との組み合わせで行うことが多いです。手術は、鼻の一部を楔形に切除して鼻孔を再建するものになります。
皮膚腫瘍切除術
手術直前の写真と手術後の写真


体表の腫瘍には様々なタイプの腫瘍が存在します。その腫瘍の特性を見極めた上で切除範囲等を決定しています。
大きな腫瘍の場合、縫合(縫い方)を工夫して皮膚が強く引っ張られないようしています。
軟口蓋部分切除術
軟口蓋過長症
多くが短頭腫で、他の気道の奇形を伴うことがあります。(喉頭虚脱、鼻孔狭窄、気管虚脱など)時に甲状腺機能低下症が関連することもあります。
この手術では、長すぎる軟口蓋を切断する手術になります。
腸内異物摘出術
腸内異物

長引く吐き気により来院した症例で時折みられるのが異物です。
最近では写真のようなゴムおもちゃ、ストッキング、ボールなどが胃腸で悪さをして手術になってしまった子たちがいます。
腸をあまり傷つけていない場合には写真のように異物除去だけで済むことが多いですが、傷が重度な場合(紐状異物で多い)腸の部分切除も必要になり、術後もその他の部分での腸穿孔のリスクとしてみていかなくてはいけませんので術後も安心できません。
腹腔内腫瘍摘出術
腫瘍化した停留睾丸、卵巣腫瘍、消化管腫瘍、肝臓腫瘍他
肝腫瘍摘出前の写真と摘出後の写真


肝臓腫瘍に関しては多々、かなりおおきくなってから気づくことが多く、とることが大変な時もままあります。
脾臓腫瘍

血液が溜まりやすいところでもあるためオペ時には脾臓自体もかなり大きくなった状態でオペすることが多いです。
卵管腫瘍

最近では避妊をされている方が多いためあまり見かけなくなって生きています。
停留睾丸(腫瘍化なし)

腫瘍化した内臓はまわりの臓器に癒着や血管新生をおこしているため、その癒着等をはがしてとっていきます。
早い段階での腫瘍発見では比較的癒着が少ないことが多いです。お腹の腫瘍は多種多彩な状態が認められるため、術前検査や見た目だけで簡単そうな手術、難しい手術と言い切れないことがあります。
子宮摘出術
子宮蓄膿症
子宮蓄膿症の写真


子宮に異常な膿が認められ、場合によっては緊急の手術が要求されるものになります。
手術では膿が腹腔内に漏れないように細心の注意が必要になり、当院では卵巣と子宮を同時に摘出する方法をとっています。