ノミ|感染症
ノミが猫の血を吸う時、その唾液が原因となってアレルギー性の皮膚炎をおこします。
この病気を治すためには、患部の治療と同時に、原因となるノミを猫の生活環境から駆除しなければなりません。また、当院周辺でノミが多く寄生している猫では、多くの子がノミを媒介とする寄生虫に感染している子が多いため、そちらの駆除も必要となることが多くあります。
症状|皮膚糸状菌症
猫の体表、特に耳の後ろや背中から腰にかけて、あるいは尾から肛門や陰部の周りの皮膚に脱毛やぷつぷつとした赤い発疹がみられます。
特に後ろ足を中心とした発疹が見られ痒みをともなうため、自分で傷をつくることもよくあります。
大量に寄生されてしまうと貧血などもおこします。
原因|皮膚糸状菌症
ノミの唾液成分ハプテンが、血を吸った際に犬に入り込むことでアレルギー反応を引き起こし、皮膚炎をおこします。
草むらや小屋などに入り込んだときに、寄生されることが多くあります。
治療|皮膚糸状菌症
ノミの駆除のため、スポットタイプの予防薬を治療にも活用します。
被害を受けた皮膚には、外用薬・抗アレルギー薬・痒み止め・皮膚保護のためのビタミン剤などを使用することもあります。
皮膚糸状菌症|感染症
カビの一種で円形の脱毛が起こったり、毛が薄くなったりします。
人間にも感染するので注意が必要です。
症状|皮膚糸状菌症
顔や目のまわり、耳、そして体の皮膚のやわらかい部分に脱毛が起こります。その周囲の毛はとても抜けやすくちぎれやすくなります。
治療|皮膚糸状菌症
週に1,2回の抗真菌シャンプーと抗真菌薬を使用します。
猫はシャンプーを嫌がることが多いため、複数回行なうことが難しいことが多いです。
状況によって塗り薬も使用します。治療には1ヶ月以上かかります。
猫の皮膚病と治療
痒みを誘発する皮膚病はねこちゃんにとってとてもツライ病気であり、ねこちゃんの特徴である特殊な舌がその皮膚病をさらに悪化させます。
猫の皮膚病の原因は様々ありますが、痒みや脱毛、発疹がよくみられる症状です。
猫の皮膚病の原因には、ノミ・ダニなどの外部寄生虫やカビ、細菌、ウイルスなどの感染症、アレルギーやストレスによるホルモン異常などがあります。
このうち、多いのは感染症による皮膚病です。
感染症が原因の皮膚病
寄生虫が原因
- ノミアレルギー性皮膚炎
- 疥癬
- 耳ダニ感染症(耳疥癬)
- ツメダニ症
- 毛包虫症(ニキビダニ症)
カビが原因
感染症以外が原因の皮膚病
ホルモン異常が原因
- クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)
ストレスが原因
- 心因性皮膚疾患
- 神経性皮膚病
腫瘍・紫外線が原因
- 扁平上皮癌
- 日光皮膚炎
アレルギーが原因
- アトピー性皮膚炎
- 食物アレルギー性皮膚炎
- 接触性アレルギー性皮膚炎
等が挙げられます。
人間にも感染する感染症もあるので注意が必要です。
犬に比べてその割合は少ないですが、猫の皮膚病は、重篤化すると食欲等にも影響をあたえてしまうので、軽症の段階での診察・治療をお勧めします。
皮膚病用ヒストリー(問診票)をダウンロード
ご来院の際は、下記から皮膚病用ヒストリー(問診票)をダウンロードし、記入して頂いておくとスムーズです。