肺
肺炎
【症状】
肺と気管支が炎症をおこす病気ですが、いろいろな原因で起こります。また、症状も一定してません。一般に他の呼吸器病と同様に咳が出ることが多く、そのため吐き気を誘発することもあります。ぜーぜーという呼吸音がしたり、呼吸困難のため口をあけて呼吸したりするようになります。また、呼吸は速く浅くなることもあります。
呼吸困難や発熱を起こすため、運動を嫌がったり食欲不振になることもあります。前足を突っ張った姿勢をとり、呼吸がら楽になるような動作をします。病状が重くなると、体を横にして休むことができなくなることもあります。
【原因】
よくあるのがジステンパーウイルスや、ケンネルコフの原因となるパラインフルエンザウイルス、アデノウイルス、あるいは細菌、真菌などの感染によるものが多いようです。また、きせいちゅうの感染が原因のこともあります。
他の呼吸器病のように、刺激性のガスや薬品を吸い込んで肺炎を起こすことも考えられます。
【治療】
診断にはレントゲンや聴診などが有効ですが、全身の検査が必要になることもあります。治療には感染などを抑えるための内科的療法を行ないます。ネブライザーといった吸引療法や、酸素吸入が必要な場合もあります。
肺水腫
【症状】
肺水腫は、その子がすでにかかっている他の病気の影響でおこることの多い病気なので、もとの病気の症状によって、全身にあらわれる変化も違ってきます。軽い時は、運動したり興奮した時に咳が出たり、軽い呼吸困難があらわれたりする程度です。
重くなるとぜーぜーという呼吸をしたり、呼吸が浅く速くなったりします。咳もひどくなり、一晩中とまらないこともあります。また、よだれを流し、口をあけたまま呼吸をするような呼吸困難の症状を起こすようになります。
【原因】
細気管支や肺胞といったところに水がたまって肺がむくんだ状態になる病気とイメージしていただいたほうが良いでしょう。水によって肺での酸素と二酸化炭素の交換が困難になり、呼吸困難となります。原因としては刺激性のガスや薬品を吸い込んだとき、薬品中毒をおこした場合などがあります。
心臓の病気などで肺水腫をおこすことも多々あります。わんちゃんでは小型犬でよく見られる僧帽弁閉鎖不全症の場合に、このような症状がでることが知られています。
【治療】
肺にたまった水を除去するため利尿薬などによる内科的治療を行ないます。呼吸困難がひどければ酸素吸入が必要な場合もあります。それと同時に原因となる病気の治療を行なうことが必要です。急性の肺水腫では呼吸困難から死亡するパターンが多いと考えられるので症状が見られたら早めに治療をする必要があります。