しらかば動物病院

最新医療と行動学

しらかば動物病院

新船橋駅前

駐車場あり

047-425-2148

しらかば動物病院

内科

内分泌・呼吸器

甲状腺機能低下症

症状

症状は多岐にわたり、はっきりしないものが多いため、”great pretender”ともよばれる。

当院で見かけたものの多くが、皮膚病を患う、貧血、傾眠傾向、運動不耐、食べていないのに太る傾向がある、低体温などの症状がみられていた。

原因

原発性甲状腺機能低下症ではリンパ球が入り込んでくるリンパ球性甲状腺炎、特発性甲状腺萎縮、腫瘍により破壊されてなることもある。リンパ球性甲状腺炎では免疫学的疾患ともいわれている。

2次性甲状腺機能低下症として下垂体異常によりホルモン抑制が働き甲状腺濾胞の萎縮が起こる。

治療

初期治療としてレボチロキシンナトリウムの錠剤の治療が一般であるが最近では動物薬として液剤も販売されているので使用することがあるが当院ではほとんどが錠剤を使用している。治療開始後にはモニタリングとしてT4血中濃度の測定を行う。活動性の低下は1週間以内に改善することが多い。高脂血症や、貧血がある場合には原疾患がこの病気の場合数週間以内に改善することが多い。一方、皮膚病症状は数ヶ月を要することが多い。この病気は適切な診断、治療が行われれば予後が良い。一方、甲状腺の機能が回復することはないため、生涯にわたる投薬が必要になる。

甲状腺機能亢進症

症状

猫では極めて一般的で犬では珍しい。猫では中〜高齢の猫で発生し、発生率に性差はない。体重減少、元気消失、下痢、食欲不振、多飲多尿、多食、脱毛、多動、興奮、呼吸促迫などが認められる。また、身体の状態として、削痩、皮膚脱水、筋力低下、頻脈などがみられる。

当院でうたがうことが多い症状等は、他の子より食べるのに太らない、しかも毛艶が悪い。昔より怒りっぽくなった。血圧が高いなどで発見することが多い。

原因

猫では甲状腺の良性腫瘍、癌、結節性過形成(どんどん大きくなる甲状腺)による甲状腺ホルモンが過剰分泌することによって起こる。

治療

近年は食事による治療も活発に行われるようになった。一般に食事療法、抗甲状腺薬による内科療法が行われている。また、状況によっては外科手術の適用の場合もある。

副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)

症状

たくさん水を飲む、おしっこをいっぱいする、いっぱい食べる、お腹が張っている、筋肉が歳でもないのに衰えている、禿げてきた、皮膚の厚みがなくなってきている、面皰、呼吸がはあはあいっている等である。

当院で発見されるときに多い症状としては多飲多尿、毛が薄い、筋肉のハリがないなどが多い。また、きっかけとして超音波検査で副腎の腫大が確認され気づくことも最近多い。

問題となるのは病気自身の症状だけではない。二時的発生する併発疾患として、糖尿病、膵炎、高血圧、血栓塞栓症、感染症、腎不全、胆汁貯留等の問題を引き起こしやすい。

原因

原因は大きく分けて、下垂体の腫瘍、副腎の腫瘍に分けられる。さらに注意しなければいけないものとして薬剤として高用量の糖質コルチコイドの投薬や、長期の投薬による医原性の病気である。つまりは薬のあげすぎによる病気が認められるのである。

下垂体の腫瘍では副腎皮質刺激ホルモンが過剰分泌されることによって副腎が過剰に働き病気をおこす。

副腎腫瘍では腫瘍化することによって副腎ホルモンが過剰分泌され病気を引き起こす。

治療

内科治療、放射線治療、外科手術等に分かれる。当院では圧倒的に内科治療が多い。

内科治療では主として行なっているのがホルモン合成を抑制する薬の投薬になる。下垂体が原因の場合は放射線治療を行うことが多々ある。副腎が大きくなっている傾向が強い場合は外科を行うことも多々ある。

副腎皮質機能低下症(アジソン病)

症状

元気がない、痩せていく、食欲がない、吐き気、下痢、血便、多尿、乏尿、脈が遅い、体温が低い、痙攣などがある。

原因

原発性のものと2次生のものにわけられる。

原発性副腎皮質機能低下症では原因として、免疫介在性疾患、感染症、出血性梗塞、悪性腫瘍等がある。また、副腎皮質機能亢進症の治療の結果として起きてしまうこともある。

2次性副腎皮質機能低下症では下垂体、視床下部の腫瘍、創傷、炎症などによって副腎が破壊されておこることもある。

治療

病気の早い段階での治療はミネラルコルチコイドの投薬と必要に応じてプレドニゾロンの投薬になる。緊急治療が必要な場合はそれぞれの異常に合わせてさまざまな治療が必要になることがある。

糖尿病

症状

多くのものが多飲多尿や多食、体重減少でくるが、状態が悪化して虚脱、脱水、頻呼吸、嘔吐で来院するケースも少なくない。

犬では中年以降(7歳〜)でよく認められるが、若い子から老犬まで認められる。発生は女の子の方が男の子の2倍ある。

原因

犬の糖尿病のほとんどが1型糖尿病と類似している。免疫疾患と急性再発性膵炎が関連していると思われる。猫では1型、2型糖尿病があると言われている。肥満によるインスリンの作用の低下が知られておりパッピー糖尿病とも呼ばれる。

治療

治療のためにはインスリン投与が大切になります。同時に食事療法が重要になります。ただ、併発疾患が存在する場合にはその疾患の治療を優先することもあります。インスリン治療においてしばしばインスリン抵抗性の原因である別の病気が影響を与えるため精査が必要になります。適切治療をすることで血糖管理を改善することができます。

副甲状腺機能亢進症

症状

無症状の場合から重篤な全身性の症状があるものまでさまざまである。

非得意的な症状として、食欲低下、嘔吐、下痢、多尿、多食などがあり、重度では神経過敏等の神経障害や心臓の期外収縮や高血圧などの心血管系の障害を呈する。また、高Ca血症で腎臓病を進行させたりする。

原因

栄養性、腎性、原発性のものがある。

栄養バランスの悪い食事などによりおこるもの。腎不全の進行にともないおこるもの。悪性腫瘍によっておこるものなどがある。

治療

栄養性2次性上皮小体機能亢進症の場合、Ca、Pのバランスが適切な総合栄養食を与える。必要に応じてビタミンD製剤の投与を行う。

腎性二次性上皮小体機能亢進症の場合、リンの摂取の制限、腎臓病療法食の変更等がある。

原発性上皮小体機能亢進症の場合、対症治療として点滴、注射。根本解決として外科的除去がある。ただし、術後の処置として低カルシウム対策をしっかりしなければならない。

肺炎

【症状】

肺と気管支が炎症をおこす病気ですが、いろいろな原因で起こります。また、症状も一定してません。一般に他の呼吸器病と同様に咳が出ることが多く、そのため吐き気を誘発することもあります。ぜーぜーという呼吸音がしたり、呼吸困難のため口をあけて呼吸したりするようになります。また、呼吸は速く浅くなることもあります。

呼吸困難や発熱を起こすため、運動を嫌がったり食欲不振になることもあります。前足を突っ張った姿勢をとり、呼吸がら楽になるような動作をします。病状が重くなると、体を横にして休むことができなくなることもあります。

【原因】

よくあるのがジステンパーウイルスや、ケンネルコフの原因となるパラインフルエンザウイルス、アデノウイルス、あるいは細菌、真菌などの感染によるものが多いようです。また、きせいちゅうの感染が原因のこともあります。

他の呼吸器病のように、刺激性のガスや薬品を吸い込んで肺炎を起こすことも考えられます。

【治療】

診断にはレントゲンや聴診などが有効ですが、全身の検査が必要になることもあります。治療には感染などを抑えるための内科的療法を行ないます。ネブライザーといった吸引療法や、酸素吸入が必要な場合もあります。

肺水腫

【症状】

肺水腫は、その子がすでにかかっている他の病気の影響でおこることの多い病気なので、もとの病気の症状によって、全身にあらわれる変化も違ってきます。軽い時は、運動したり興奮した時に咳が出たり、軽い呼吸困難があらわれたりする程度です。

重くなるとぜーぜーという呼吸をしたり、呼吸が浅く速くなったりします。咳もひどくなり、一晩中とまらないこともあります。また、よだれを流し、口をあけたまま呼吸をするような呼吸困難の症状を起こすようになります。

【原因】

細気管支や肺胞といったところに水がたまって肺がむくんだ状態になる病気とイメージしていただいたほうが良いでしょう。水によって肺での酸素と二酸化炭素の交換が困難になり、呼吸困難となります。原因としては刺激性のガスや薬品を吸い込んだとき、薬品中毒をおこした場合などがあります。

心臓の病気などで肺水腫をおこすことも多々あります。わんちゃんでは小型犬でよく見られる僧帽弁閉鎖不全症の場合に、このような症状がでることが知られています。

【治療】

肺にたまった水を除去するため利尿薬などによる内科的治療を行ないます。呼吸困難がひどければ酸素吸入が必要な場合もあります。それと同時に原因となる病気の治療を行なうことが必要です。急性の肺水腫では呼吸困難から死亡するパターンが多いと考えられるので症状が見られたら早めに治療をする必要があります。