ノミ・ダニ予防について
ノミ・ダニの予防??
どうして必要なの?
それはノミが引き起こす病気、マダニが引き起こす病気があり、人にうつる病気、動物にうつる病気両方があるんです。
普段意識していないことだけど、感染してからだと大変だから予防をすることによって被害を食い止められます。
感染症の概要は後で説明いたしますが、マダニやノミをつけてくるかといえば、それはお散歩が一番ノミダニにつかれやすいタイミングです。
家の周囲だけでも可能性はあるし、緑の多い公園や河川敷があるならかなり要注意。
外で遊んだり、キャンプや旅行によく出かけるアウトドア派なら、マダニに気をつけてください。草むらから、わんちゃんにとびうつるチャンスをうかがってるかもしれません。
都会暮らしのインドア派でも一歩お散歩に出かけたら、いつでもノミに狙われている事をお忘れなく!
悔れない人間へ被害
人間がノミに刺されると、激しいかゆみがおこり、ひどい場合はアレルギーになって水ぶくれのような状態になってしまいます。また条虫に感染したノミが偶然に人の口に入ってしまうことで人にも感染してしまいます。
そのほか、ダニも赤血球を壊すパベシア病を運んだり、人にもうつるライム病、Q熱などを媒介します。
ノミ・ダニ予防のおすすめの時期
当院では、4月から12月の温かい時期にノミマダニの予防をする事を推奨しています。
※お外に出る猫ちゃん、草むら等にも散歩されるわんちゃん達に関しては、1年中予防することを勧めています。
ノミ・ダニによる感染症
ノミやダニが寄生すると、強い痒みを起こします。特にノミの場合は、アレルギー体質の子はアレルギー性皮膚炎がひどくなったりします。
ノミは、腸内寄生虫(条虫)の運び屋でもあります。
感染すると下痢などの腸炎を引き起こします。
ダニは、赤血球を壊す、バベシア病を運んだり、人にもうつるライム病などを媒介します。
そのほか、人に被害をもたらすケースとして「猫ひっかき病」があります。この病気は、ノミが猫から猫へ媒介します。
猫に症状は出ませんが、これに感染した猫に引っかかれたり咬まれたりすると、リンパ節が腫れて発熱や頭痛をおこしてしまいます。
予防はノミ・ダニとも気温が15℃以上になると活発に動き始めるため、ノミ・ダニ予防を始めましょう。
※お外に出る猫ちゃん、草むら等にも散歩されるわんちゃん達に関しては、1年中予防することを勧めています。
ノミによる貧血
ノミ72匹が寄生すると、1ml/日吸血されます。血液の20%が減少すると貧血を起こしてしまう可能性があります。
ノミ刺咬症
ノミに刺されることで起こりうる皮膚炎。ノミの刺す刺激、咬む刺激、吸血の刺激などによる強い痒み。患部を掻くことで、細菌感染し重い症状になる事もあります。
ノミアレルギー性皮膚炎
発症時の症状
強い痒みを伴い脱毛や湿疹が見られることがあり、痒みによって爪などで引っ掻いてしまうことで症状を悪化させてしまうことがあります。
治療方法と治療のリスク
先ずはノミを落とす事が最優先されますが、強い痒みを伴っていることが多い為、抗ヒスタミンを使用したり、一時的にステロイドによって痒みを抑える事もあります。
一度この病気になると、その後僅かなノミの寄生でも毎回同じ症状が出るようになることが多いです。
検査方法
視診、及びノミの確認(ノミ糞等を確認)。
瓜実条虫
感染経路と発症までの体内状況
瓜実条虫(サナダムシ)のたまごが寄生したノミを誤って口にしてしまうことで感染します。
室内には犬や猫の体表に寄生するノミの成虫数十倍の幼虫やさなぎが存在し、新たな感染源となっています。また、人にも感染することがあります。
発症時の症状
瓜実条虫の成虫は、最大50センチにも達し、頭端には4つの吸盤と多数の鈎を持ち、腸の粘膜に体を固定しています。体が大きい割にはおおかた症状は軽いですが多数寄生すると腸管から出血したり、腸の炎症が起こることがある。
治療方法と治療のリスク
瓜実条虫は病院で使われている駆虫薬に反応するので錠剤タイプやスポットタイプのもので駆虫を行います。当院では2回の駆虫を行い、中間宿主であるノミに対しても予防薬を使用します。駆虫薬は仔猫、仔犬でも使われているものを使用している為安全性は高いと思われます。
検査方法
検査は排泄物を顕微鏡で確認します。多くの場合、排便した際、糞便又はお尻まわりに米つぶ大のうごめく物体を確認したら瓜実条虫の片節になるので仮診断しています。
バベシア症
感染経路と発症までの体内状況
バベシア原虫がマダニを介してわんちゃんの血中に進入。原虫は赤血球に寄生して破壊。
発症時の症状
貧血、発熱、食欲不信、黄疸などの症状が見られ、急性の場合は死に至る事もあります。
治療方法と治療のリスク
必要なら輸血、アシドーシスに対する支持療法を行う。感染症の治療があるが必ずしも感染が排除されるわけではない。
検査方法
血液検査において診断可能です。血液検査では血液塗抹を作成してバベシア原虫の確認を行います。血液塗抹で判断がつかない場合は抗体価測定やPCR法による遺伝子診断により確定させる事もあります。
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)
2013年に日本でも初めて死亡例が報告された、ウイルスによる感染症。マダニがウイルスを媒介している可能性があるとされています。
猫ひっかき病
感染した猫に引っ掛かれたり噛まれたりすると、リンパ節が腫れて発熱や頭痛を起こすことがあります。
ノミ・ダニ予防接種の流れ
- 来院
- 問診
- 予防接種(飼い主様もお付き添いいただけます)
ほとんどのノミダニ予防薬はご自身でつけたり飲ませたりする事ができますので自宅にて行って頂いております。それが出来ない場合は散歩のついでに来院いただいて体重を測るついでに当院スタッフが予防薬をつけさせていただいています。 - ご褒美のおやつ
病院で治療する時によりスムーズに、よりリラックスして治療を迎えられるようにおやつ等を予防の際に与えるなどして動物病院が単に嫌な事だけをするところではない事をおぼえさせています - お会計
- 予後観察
予防薬の種類
- 錠剤 (月1回内服)
- スポット(月1回滴下)
- チュアブルタイプ・タブレットタイプ(月1回 または 3か月に1回内服)
個体ごとの性格や飼い主様のライフスタイルによって、適した予防薬をおすすめしています。
よくある質問
毎年、検査する必要あるの?
特に検査する必要性はありません。
清潔な室内飼いだから大丈夫では?
直接感染する可能性は低いですが、散歩中に感染したり、人間の服等について部屋に持ち込むケースなどもあります。
バルサンなどを使って室内を殺虫すれば大丈夫では?
バルサンなどの駆虫剤は成体には効きますが卵には効きません。ノミのライフサイクルは95%が卵、幼虫、蛹の状態です。その為バルサンだけでは再度ノミが発生する可能性が高いのです。
なるべく薬は飲ませたくない
現在は多様なタイプの薬がある為、飲ませることに対して不安な方にはスポットタイプで薬の成分が皮脂腺に蓄えられ皮脂とともに放出するものもあります。
涼しくなったら、もう薬は飲ませなくていいのでは?
以前はノミやダニは暖かい季節だけ予防すれば良いと思われていました。しかし現在では、寒い時期でもノミやダニの被害が増えています。
これは犬の飼育環境が屋内中心になって来て、犬の取り巻く環境の中で季節による気温の変化などが昔に比べて少なくなっているからです。
この影響で犬などに寄生するノミやダニも、気温の低下などで活動が低下する期間が少なくなっているのです。その為、以前に比べて年間でノミやマダニを予防しなければならない期間は長くなっている傾向があります。
【どうしても動物病院へ行けない方へ】
家庭でできるノミ・ダニ予防
まずやること
月に一回のノミダニ駆除剤を使う。
できればやること
毎日のブラッシングでノミダニがいないかチェック、月一回以上のシャンプー、ペットの布団・マットの掃除と天気の良い日は天日干し、ダニなどが多い草むらなどにはできるかぎり入らない。